ランスモアは、非線形有限要素法構造解析の技術系CAE解析コンサルティング会社です。
更新日: 10/Apr/2021
非線形CAE解析ソフトウェアLS-DYNAのシェル要素の計算速度について調査しました。(LS-DYNAは有限要素法を解析手法とした汎用FEM解析ソフトウェアです) ここでは、2016年にリリースされた LS-DYNA ver.R9.0.1のシェル要素の計算速度チェックを行いましたので結果を示します。
テスト問題は、下図に示す薄肉円筒のねじり座屈問題で、2012年に実施したものと同じデータを使用しました。
シェル要素のフォーミュレーションタイプと計算速度比をグラフにしています。
横軸にフォーミュレーションを,縦軸にBT要素(ELFORM=2)を基準とした速度比を示しています。
バージョンR9.0.1は,2016年に正式リリースされたメジャーバージョンアップ版R9.0.0のすぐ直後にリリースされました。実質的にこのバージョンはR9の初版と考えてよいでしょう。R9はR7.1.3やR8.1と並行する形で、メジャーバージョンアップとしてリリースされましたが、新機能などにバグが多く信頼性に疑問がつくバージョンだったという印象です。すでにリリースから時間が経過していることと後継バージョンがリリースされているためR9.0.0〜R9.3.1をあえて使用する理由はないでしょう。
図1 Formulation Type vs 計算速度比 R9.0.1
図2 薄肉円筒のねじり座屈変形図 R9.0.1