ランスモアは、非線形有限要素法構造解析の技術系CAE解析コンサルティング会社です。
更新日: 21/Mar/2021
非線形CAE解析ソフトウェアLS-DYNAのシェル要素の計算速度について調査しました。(LS-DYNAは有限要素法を解析手法とした汎用FEM解析ソフトウェアです) ここでは、2019年にリリースされた LS-DYNA ver.R10.2のシェル要素の計算速度チェックを行いましたので結果を示します。
テスト問題は、下図に示す薄肉円筒のねじり座屈問題で、2012年に実施したものと同じデータを使用しました。
シェル要素のフォーミュレーションタイプと計算速度比をグラフにしています。
横軸にフォーミュレーションを,縦軸にBT要素(ELFORM=2)を基準とした速度比を示しています。
バージョンR10は,新機能にバグが多かったR9の後継としてリリースされましたが,初期のR10にはR9と同様に新機能のバグが多かった印象があります。そのためR10.1をしばらく使用していましたが,後継のR11がすぐに出てきたのでそちらを使うことが多かったです。R10を使うのであれば,2回目のバグフィックスであるR10.2を使うことを推奨します。ただし,一般的な衝撃解析や応力解析に使うだけであれば,R9でもR10でも特に問題はないかと思います。2021年現在,使うバージョンに制約が無い場合は,R11.1を使うことを推奨します。
図1 Formulation Type vs 計算速度比 R10.2.0
図2 薄肉円筒のねじり座屈変形図 R10.2.0