ランスモアは、非線形有限要素法構造解析の技術系CAE解析コンサルティング会社です。
投稿日: 25/April/2021
非線形CAE解析ソフトウェアLS-DYNAのソリッド要素の計算速度について調査しました。(LS-DYNAは有限要素法を解析手法とした汎用FEM解析ソフトウェアです) ここでは、2013年にリリースされたLS-DYNA ver.971 R6.1.2の、ソリッド要素の計算速度チェックを行いましたので結果を示します。
テスト問題は、下図に示すTaylor Bar Impact 問題で、銅製円柱を超高速でRigid Wallに衝突する問題で、動的陽解法により解析しました。ソリッド要素のフォーミュレーションタイプと計算速度比をグラフにしました。横軸にフォーミュレーションを,縦軸に六面体1点積分要素(ELFORM=1)を基準とした速度比を示しています。
図1 Formulation Type vs 計算速度比 971 R6.1.2
図2 Taylor Bar Impact 問題 円柱の変形図 971 R6.1.2
六面体1点積分要素(ELFORM=1)に対して、六面体S/R積分要素(ELFORM=2)の計算時間は、1.8倍長い結果となりました。
四面体1点積分要素(ELFORM=10)に対して、ELFORM=13の要素の計算時間は、2.2倍長い結果となりました。
四面体1点積分要素(ELFORM=10)に対して、四面体二次要素(ELFORM=16)の要素の計算時間は、約15.4倍長い結果となりました。
四面体1点積分要素(ELFORM=13)に対して、四面体二次要素(ELFORM=16)の計算時間は、約7.0倍長い結果となりました。
六面体要素モデルの要素数は約6.5万要素であり、四面体要素モデルの要素数は約18.5万要素であり、要素数の差は約2.85倍です。
六面体1点積分要素(ELFORM=1)に対して、四面体1点積分要素(ELFORM=10)の計算時間は、約4.8倍長い結果となりました。
六面体1点積分要素(ELFORM=1)に対して、四面体1点積分要素(ELFORM=13)の計算時間は、約10.5倍長い結果となりました。
六面体1点積分要素(ELFORM=1)に対して、四面体二次要素(ELFORM=16)の計算時間は、約73倍長い結果となりました。