ランスモアは、非線形有限要素法構造解析の技術系CAE解析コンサルティング会社です。
更新日: 04/Apr/2021
非線形CAE解析ソフトウェアLS-DYNAのシェル要素の計算速度について調査しました。(LS-DYNAは有限要素法を解析手法とした汎用FEM解析ソフトウェアです) ここでは、2013年にリリースされた LS-DYNA ver.R7.0.0のシェル要素の計算速度チェックを行いましたので結果を示します。
テスト問題は、下図に示す薄肉円筒のねじり座屈問題で、2012年に実施したものと同じデータを使用しました。
シェル要素のフォーミュレーションタイプと計算速度比をグラフにしています。
横軸にフォーミュレーションを,縦軸にBT要素(ELFORM=2)を基準とした速度比を示しています。
バージョンR700は,それまでver.980と呼ばれていたマルチフィジックス機能が実装される予定だったバージョンでした。ver.980は2009年ごろもしくはそのかなり前からリリースが噂されていましたが、なかなか正式にリリースされず、R7という名称に改められ2013年にようやくリリースされました。それ以前のver.971 R6の路線から一新されて、最近のLS-DYNAに繋がる系譜の最初のバージョンがR700であり、LS-DYNAの歴史の中で大きな変化があった記念すべきバージョンという印象が残っています。ELFORM=-16は未サポート、ELFORM=23は未検証。
図1 Formulation Type vs 計算速度比 R7.0.0
図2 薄肉円筒のねじり座屈変形図 R7.0.0